半衿−白

下に重ねたきものの衿が、髪の毛や首回りの肌で汚れることが多く、衿の半分の面積の替え衿を掛けたことから「半衿」が誕生しました。そして更に白い半衿が一般的になったのは昭和40年代です。

 

白い半衿は晴れ着用として、ここ一番という祝の時にしか用いませんでした。結婚式、入学式・卒業式、告別式などに着る式服用に必ず用いたのが、白い半衿です。儀式的な改まった感じ、そして清潔な雰囲気を醸し出すのが白い半衿の魅力ですが、もう一つ大切な役目があります。それは首の回りに白があることで、顔全体に輝きが生まれることです。

 

女優さんたちをより美しく撮るポートレート写真に、光を間接的に当てる白いレフ板というのをカメラマンは使います。この作用で肌のきめが細かく見え、顔に艶がでます。そのレフ板の役目を白い半衿は備えていることになります。

 

一口に白といっても素材は色々です。縮緬は袷の時期だけ、塩瀬は夏以外は一年中使いますが、どちらかといえは春向きです。単衣のきものには、竪しぼ、絽縮緬が肌に爽やかです。絽のきものには絽の半衿、麻には麻の半衿、紗には紗、または絽の半衿を付けると、きものも生き生きとしてきます。袷のきものには他に東雲、綸子、明雲、ふくれ織り、唐織り、紋意匠縮緬があり、礼装用には塩瀬の半衿を使うのが今は一般的です。